「両親が亡くなった後の誰も住んでいてない実家をそのままにしている・・・。」
相続によって家を引き継ぐケースは増えているものの、その管理や処分について分からなかったり、遠方のため結局放置してしまうケースは少なくありません。
しかし空き家の放置は実はリスクが大きく非常に危険なことをご存知ですか？
今回の記事では空き家を放置することで起こるさまざまなデメリットとおすすめの空き家の賃貸・売却について解説します。
空き家を放置すると起こるデメリット
建物の老朽化、傷み
空き家を放置しているということは窓を閉め切った状態で家を放置することになります。すると時間の経過とともに室内は湿気がこもり、木材の腐食やカビの発生へとつながり建物の傷みはどんどん進行し悪化していきます。
居住していない物件であっても定期的に換気を行ったり軽く清掃を行うとよいのですが、空家が遠方にある場合には難しいのが現状です。
固定資産税がかかり続ける
不動産の所有者には固定資産税を支払う義務があります。
＜固定資産税の計算法＞
・土地の固定資産税＝土地の固定資産税評価額×1/6×1.4％
・建物の固定資産税＝建物の固定資産税評価額×1.4％
建物の資産価値が低い場合には固定資産税の額の負担も低くはなるものの、それでも放置することで無駄な支払いは続いてしまいます。また、空き家とは別に自宅がある場合は両方の税金を支払う必要が出てしまいます。
マンションの場合は管理費や修繕積立金等、戸建てよりもランニングコストが多くかかるので注意しましょう。
被災の可能性
日本は災害の多い国。地震はもちろん、最近は大型の台風や豪雨の自然災害も増えています。
空き家を所有しているということは、これらの災害時に被災を受けた際に古い家の場合は特に倒壊などのリスクが伴います。空き家を維持していくと保険でカバーをすることを考えてもやはり保険料としてお金がかかり続けることになります。
近隣トラブル
空き家を放置していると、庭の雑草や庭木が隣の住宅の敷地に飛び出してしまったり、放置していることで害虫の巣が出来たり害獣の発生といった衛生面の問題、不審者の侵入やゴミの投げ捨て、更には放火といった事件など治安の悪化へとつながる可能性があります。
周辺にお住まいの住民に迷惑や被害が及び、実際にクレームや損害賠償を請求される事例もあります。
行政からの指導
適切に管理されず放置された空き家があることは地域の住民にとっても景観や治安、環境の面で不安な要素となり、自分だけでなくそのエリアの資産価値も下げてしまう可能性があります。
そこで空き家問題を解決する取り組みとして特別措置法という制度が制定され、このような社会的な問題が予想される中で空き家を放置し続けると行政から調査を受けた後に「特定空家」と認定され指導が入ることもあります。
特定空家に指定されるとどうなるの？
「特定空家」と判断されると、自治体から所有者に対して管理方法の改善をするよう”指導”が入ります。これに従わない場合、”勧告”となり固定資産税の軽減措置は受けられなくなり、以前と比較して6倍の税金を支払わなくてはならなくなります。
更に勧告にも従わない場合、”命令”に移行し、違反した場合は罰金として50万円以下の過料が科され、最終的に”行政代執行”が実行されます。
行政代執行によって強制的に解体され、その費用は全額所有者に請求されます。支払えない場合は空き家はもちろん、土地や財産が差し押さえられ、ニュースになると個人情報まで晒されることになります。
空き家は早めに賃貸・売却に出すことがおすすめ
以上のような事態を迎えないために空き家となったらすぐに解体を検討する方もいらっしゃいますが、更地にすることで「住宅用地の特例」の対象外になり、翌年から固定資産税の負担が最大6倍になる場合がありますので、安易な解体は危険です。
そこでおすすめする対策は『空き家となった建物は早めに賃貸・売却に出すこと』です。
無駄なコストやリスクを背負わずに済み、賃貸や売却によって利益が入るのでむしろ大きなメリットが得られる可能性があります。
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