空き家になる実家の売却どうする?売却する前にやるべきことや税金についても解説

コラム

実家が空き家になる可能性がある、あるいは両親から相続した実家に住み替えせず既に空き家になっているという場合、いずれ売却や取り壊しを考えているという方は多いのではないでしょうか。
しかしタイミングによってはかかる税金や控除に大きく影響する場合がありますし、売却をする前にやらなければならないこともいくつかあります。
そこで今回の記事では、空き家となった(なる可能性のある)実家を売却する前にやるべきこと、そして関連して発生する税金やその対策についても紹介していきます。
ぜひ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

空き家の実家を売却する前にやることとは

空き家となった実家を売りたいからといっていきなり手続きを始めるのはちょっと待って。
売却する前にやるべきことがあるのです。
以下にご紹介する流れを1つずつチェックし、上手に売却を進めていきましょう。

実家(空き家)の売却ステップ1.遺言書を確認する

実家で暮らしていた親などの相続人が亡くなった場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう。
遺言書は遺産の取り分や分割の方法などが指定されているケースが多く、家の相続の内容にも大きく影響します。

実家(空き家)の売却ステップ2.実家の名義変更

自身が実家の相続し売却をする場合、不動産の名義を変更し自分が家の持ち主になる必要があります。
この手続きはもちろん自分で行うことも可能ですが、初めての場合は馴染みのない書類や用語に困惑してしまうかと思いますので、不安な場合は費用は数万円かかってしまいますが司法書士に相談し登記を依頼することをおすすめします。

実家(空き家)の売却ステップ3.実家を片付ける

空き家となった実家を売りたくてもなかなか踏み出せない理由の1つに、「片付けが進まない、片付けが面倒臭い」ということは少なくありません。
長年暮らしていた家であるほど荷物の量が多く、どこから手をつけて良いのか困ってしまうでしょう。
実家が遠方であったり仕事などで忙しくなかなか片付けに通えない場合は、専門の業者に依頼するという方法もあります。
この時点で家具や家財を処分する必要はありませんので、内覧に支障がない状態にしておきましょう。

実家(空き家)の売却ステップ4.査定

管理されていない空き家は、当然のことながら放置されている期間が長いほど劣化が進み、その分買い手が付きにくくなるものです。
そのため、現在の状態を把握するためにも売却するのなら早めに不動産会社や専門家に依頼して査定してもらいましょう。
査定してもらうことで固定資産税評価額がいくらになるのかを知ることも出来ます。

実家(空き家)の売却で知っておきたい税金と特例について

実家などの不動産を売却する場合、譲渡所得(売却益)に対し譲渡所得税(所得税、住民税)がかかってきます。
譲渡所得を計算する際に使う所得税と住民税の税率については、実家の所有期間によって異なります。
しかし売却にかかる税金には条件を満たすことで適用される特例がいくつかありますので、簡単に紹介していきましょう。

親が生きているうちに売却することで受けられる3000万円特別控除

まだ両親が実家で暮らしており、亡くなった後に実家を相続する予定で更にその実家が空き家になる可能性が高い場合、親が健在なうちにマイホームを売却することでその売却益から3000万円を限度に控除できる特例があります。
この制度を使うことで譲渡所得税、住民税が非課税になるケースが多く、非常にお得な制度と言えます。
対象となるのはあくまでも自宅として住まわれていた居住のための建物であり、店舗や別荘に対しては適用されません。
また相続を受けた子が売却する時に使うことは出来ず、元々の持ち主である親が売却をする必要があります。
自宅の所有期間が10年超の場合は通常よりも低い税率で譲渡所得税を計算する軽減税率の特例も併用することも可能です。

実家を相続後売却する場合に受けられる特例

それでは既に両親が亡くなっていて相続した実家を売却する場合はどうでしょうか。
これには既に空き家となってからも使える「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」というものがあります。
条件として昭和56年5月31日以前に建築された建物であること、マンションのような区分所有建物登記がされている建物でないこと、相続開始の直前において亡くなった親以外に住んでいた人がいないという3つがあり、更に相続を開始してから3年以内に売却しその代金が1億円以下であること等の細かな要件がいくつかありますので、必ず事前にご確認ください。

空き家になった実家が売れない時はどうする?

空き家予定または空き家となった実家を上記のようなステップを踏んで売却を進めても、立地や状態、金額などによってすぐに売れるとは限りません。
特に利便性の悪い地方の戸建ての場合、なかなか買い手が現れない傾向にあります。
しかしそのまま待っていてもどんどん資産としての価値は落ち続け、ますます売却が難しくなってしまいます。
次はこのようになかなか売れない、あるいはこのような状態を防ぐための注意点について紹介していきましょう。

建物が劣化している場合は取り壊す

実家の劣化が進んでしまっている場合、思い切って解体し更地の状態で売りに出した方が早く売れる可能性が高くなります。
ただ築年数が古いだけでなく、例えば雨漏りが起こったりシロアリによる被害があったり、耐震性に問題があるような建物の場合、構造そのものが劣化しているため外観のリフォームだけで補うことは出来ません。
とはいえ家の解体には大きな費用がかかりますので、安易に解体せずに査定の結果を加味して解体した方が良いのかどうか業者などのプロに相談することをおすすめします。

売却ではなく賃貸に出す

空き家となった実家の売却を不動産会社に依頼した場合、どうしても売れそうな物件を優先して対応を進めます。
そのため需要が低そうな物件やエリアの場合、売却の活動を後回しにされたり怠ったりして買い手が見つからないということは残念ながら現実的によく起こっています。
そういった場合、もちろん仲介を依頼する不動産会社を変えることも1つの手にはなりますが、売るのではなく「賃貸」という選択を視野に入れてみることもおすすめです。
金額的にも購入するには躊躇してしまう物件でも賃貸であれば借り手を見つけることが容易になり、実際に住んでみて家や周辺の地域について理解した上で購入を希望される方もいますので、そういった需要のためにも売却で売れ残ってしまった場合には一旦賃貸で出してみることで後に買取へとつながる可能性もあるのです。
他にも建物を取り壊して更地にし、その土地を駐車場にすることで収益を得るという活用法もあります。
実家を空き家として保有し続け維持費や管理費、税金を払い手間や労力をかけるリスクを背負い続けるのが負担である場合や実家のすべてを手放すことに迷っている場合には、このような対処法も検討してみましょう。

空き家となった実家の売却・賃貸におすすめの「空き家マッチング.net」

空き家となった実家を売却するには不動産会社に仲介を依頼するしかないというイメージを持っている方が多いかと思います。
しかし先述したように、物件の状況によっては積極的に売ってもらえなかったり、希望よりもだいぶ安い価格で売買されてしまったり、高額な仲介手数料がとられてしまったり、しっかりと要望を聞いてもらえないなんていうことも起こり得ます。
そんなデメリットを解決できる方法として、全国の空き家を売りたい売主と空き家を探す買主のそれぞれをサイトでつなげる便利な「空き家マッチング.net」が今、人気です。
その秘密は、会社に任せず家の所有者が伝えたい情報や説明を載せ、相場を調べ納得できる価格を設定し、不動産会社では取扱いが難しい物件でも掲載することができ、自分で買い手を探さなくても期限を気にせず全国の方に見てもらうことが出来るため、売却がスムーズに進められる点にあります。
またこちらのサービスを利用するにあたり手数料がすべて無料であるため、売買契約においてなるべくコストを安く抑えることを希望されている方にとって大きなメリットでしょう。
また、買い手にとっても家選びというのは人生の中でも重要なものです。もし失敗したら・・・と考えると簡単に決められることではありません。
そのため、契約を決める前に複数の物件や場所を比較しながら調べることができ、購入が心配であればまずは賃貸で入居してみてその間に判断してから決定したほうが安心です。
「空き家マッチング.net」は売主(貸主)と直接やりとりが出来ますので、そのような相談や交渉ができることも人気のポイントでしょう。

まとめ

以上のように、空き家となった実家、空き家になりそうな実家を放置しておくことで税金や諸々の費用、管理の負担がかかるのはもちろん、近隣とのトラブルのもとになる可能性もあり注意が必要です。
最近では熟年離婚も増え、実家が空き家となるケースは年々増加傾向にあり、紹介したように親が生前の内に売却することで節税となることもありますので、相続しても住むことがないのであれば早めに準備を進めることも大切です。
家族との過去の思い出がたくさん詰まった実家ですから、空き家にして負担になる前に売却や賃貸を行いましょう。

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