空き家を売りたい!でも失敗したくない・・・空き家の売却を成功させるコツを解説

コラム

親から実家を相続したものの既にマイホームがあったり住み替えのため放置していたり、誰も使っていない別荘、マンション、店舗等、所有している空き家や空き物件を売りたいと考えている方は多くいらっしゃいます。
しかしいざ売却となると色々と面倒で行動に移せず、なんだかんだでタイミングを逃し放置したまま時が経ってしまっている・・・というケースが多く見受けられます。
また、築年数の古い戸建ての物件や手入れがされていない空き家に関しては、売りたいと思っても果たして買い手が見つかるのか、どのようにすれば売れるのかが分からないといった悩みもあるでしょう。
そこで今回の記事では空き家を売りたいと考えている方に向け、空き家を売却するメリットや空き家を売る方法について解説してまいります。
どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

空き家を売りたい!売却するメリットは?

空き家を持ったままで生じるデメリットは意外と多く、売りたいと考えるのならやはりある程度の時間や手間、費用がかかっても早めに手放すことをおすすめします。
その理由として挙げられる空き家を売却するメリットについて以下に紹介していきます。

お金の負担軽減

やはり空き家を売りたいと考えている人の多くは、その最も大きな理由として「維持費がかかること」を挙げています。
空き家を所有しているだけで支払い続けなくてはならない費用が発生しますので、空き家を売ることで、それまで維持にかかっていた費用の抑え、負担を軽減することが出来るというメリットがあります。

管理の負担軽減

費用の面と同様に、空き家を売ることで物件の管理の負担から解放される点も大きなメリットと言えるでしょう。
たとえ使用していなくても家を保有している限りは、定期的に換気や清掃などを行わないと建物は傷んでいってしまいます。
遠方にお住まいの場合は特に管理に対して面倒になってしまいついつい放置してしまいがちになりますので、早めに売却の対策を行うことをおすすめします。

地域のトラブル抑止

放置された一戸建ての空き家は思いもよらぬトラブルを招く原因となります。
例えば、害虫や害獣の発生、不法投棄、雑草の繁茂、景観の悪化、犯罪の誘発、火災や災害時の倒壊など・・・これらの問題は近隣や周辺地域の住民の方にとって大きな不安や悩みの種となり、実際に苦情が出ているケースも少なくありません。
居住していないとはいえ所有者は物件を管理する責任があります。
空き家を売却することはご自身だけでなく地域の問題を解決することにもなりますし、精神的な負担を抑えることにもなりますので、維持や管理が難しい場合はなるべく早急に手放す、処分することを検討しなくてはなりません。

空き家を売りたい!その方法とは?

空き家を売りたい時、どのような方法を選べば良いのでしょうか?
空き家の売却には幾つかの方法がありますが、その中でおすすめのものを4つご紹介します。気を付けたい注意点についても合わせて説明していきます。

そのまま売る

空き家の売却に際し最も手間や費用がかからないのは、そのままの状態で売る方法です。
築年数が20年以内くらいで傷みや劣化の少ない状態であれば、そのまま中古住宅として売れやすくなる可能性が高いでしょう。
築20年を超えると住宅ローンの控除が受けられなくなりますので、売却する際の1つの目安となります。
築年数がそれ以上古い場合や、そうでなくても傷みが進んでいる場合は古家付き土地として販売することが出来ます。
古家付き土地の買主は、購入後にリフォームしたり、建物を解体し新たに建てたり、土地の活用を目的として購入しますので、売り主は取り壊しの費用を負担する必要がありません。
その分、更地よりも価格は下がってしまう傾向にはありますが、売却に向けてすぐに動き出せるというメリットがあります。
ただしあまりにも老朽化が進んでいて建物に財産としての価値を見いだせない状態の場合には購入者が見つからない可能性もありますので別の方法も検討しましょう。

更地にして売る

空き家を売る2つ目の方法として、空き家を解体して更地の状態にして売るという方法があります。
どう見ても住めないような状態の物件の場合、この方法を選んだ方が買い手がつきやすいでしょう。
しかし更地にするには解体や整地の費用がかかること、そして固定資産税や都市計画税の減税措置は建物付きの土地が対象となります。そのため、更地にすることで固定資産税が6倍、都市計画税が3倍と税金が高額になるデメリットがあり注意が必要です。
ちなみに取り壊し費用の目安は木造で坪4~5万円、鉄骨造で坪6~7万円、鉄筋コンクリート造で坪7~8万円となっていますが、いきなり契約するのではなく解体を依頼する業者にいくらになるのか見積もりを取り、必ず事前に査定と費用の確認を行ってください。

不動産へ売る

次にご紹介する空き家を売る方法は、不動産に買取をしてもらう方法です。
自分で買い手を探す必要がなく、仲介ではなかなか売れない、期間がかかる古い建物でも取り壊さずに不動産会社に直接売却することが出来るので少しでも早く手放したいと希望されている場合(相続人が複数おり空き家を早く現金化したい、相続空き家の3000万円の特別控除が受けられる3年以内に売却したい等)はおすすめですが、売却金額が相場から2割程度安くなるため高く売りたいという方にはあまりおすすめできず、そして必ずしも買い取ってもらえるとは限らないという点を頭に入れて相談しましょう。

マッチングサイトで売る

空き家を売りたい人に最近注目されているのが、サイト上に空き家の情報を掲載し買い手を見つけるサービスを利用して売る方法です。
全国の自治体が行っている「空き家バンク」や当サービスである「空き家マッチング.net」があります。
不動産では取り扱ってくれないような物件やまだ使える家具、家財もそのまま売りたいといった様々な条件で掲載することができ、売却に向けての活動がすぐに行えるでしょう。
また、「空き家マッチング.net」ではエリアを限定せず1つのサイトで全国の情報を掲載、閲覧することが出来るため、物件を探している人が見つかりやすく、空き家の売買だけでなく空き家を借りたい、貸したい人のための賃貸を目的とした物件も掲載が可能です。
仲介をはさまずに直接取引なので仲介手数料もかかりません。それだけではなくサービスはすべて無料でご利用いただけます。
何も知らない人との契約が不安な場合、最初は賃貸で出して相手を知り、この人に買ってほしいという相手が見つかったら売るという方法も可能となります。

空き家を売る際の税金

空き家を売りたいとなった際、確定申告も必要となるのでそれに合わせてさまざまな税金についての知識もつけたいところです。
そこで次に空き家の売却に関連した税金について説明していきましょう。
まず、空き家の税金の計算方法は、

【税金=譲渡収入金額ー(取得費+譲渡費用)×税率】

となっています。
譲渡収入金額とは、空き家を売却する代金のことを指します。固定資産税や都市計画税も含まれます。
取得費というのは、空き家の購入金額や仲介手数料などの合計額です。減価償却費は差し引きます。
譲渡費用は売却するためにかかった費用で、仲介手数料や印紙代なども含まれます。
税率は空き家を所有していた期間によって異なり、譲渡所有税は5年以上経過している場合だと15%、5年未満だと30%。住民税についても5年以上だと5%ですが5年未満だと9%になります。
両親や祖父母などが住んでいた実家を相続した場合、元の所有者が所有していた期間も含まれます。

・5年以上の長期譲渡所得 = 課税長期譲渡所得金額 × (所得税15%+住民税5%) + 復興特別所得税 (所得税額の2.1%)
・5年未満の短期譲渡所得 =課税短期譲渡所得金額 × (所得税30%+住民税9%) + 復興特別所得税(所得税額の2.1%)
また、空き家を売ると譲渡所得から3,000万円を上限に控除できる特別控除の特例という制度があります。
対象となる要件を満たしていれば節税の効果が大きくなりますので、必ず確認しましょう。

<「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用条件一覧>
1、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること(※1)
2.相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること
3.昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く。)であること
4.相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと
5.相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、特例の適用期間である2016年4月1日から2023年12月31日までに譲渡すること(※2)
6.譲渡価額が1億円以下
7.家屋を譲渡する場合、当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること、または解体されていること

〇補足事項
(※1)次の【1】及び【2】要件その他一定の要件を満たす場合も、被相続人の居住の用に供されていたものとする。
【1】被相続人について、
・介護保険法に規定する要介護認定等を受けていること
・相続開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと
【2】被相続人の居住用家屋について、被相続人が老人ホーム等に入所した時から相続開始直前まで、
・被相続人による一定の使用がなされていること
・事業の用、貸付けの用、被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと

(※2)被相続人が相続開始直前に老人ホーム等に入所していた場合については、2019年4月1日以降の譲渡が対象です。
[2019年4月1日現在法令等]

空き家を売却する基本の流れ

空き家を売りたい際に行う一般的な流れを紹介します。大まかな手順を頭に入れておくと、実際に活動をスタートする際にスムーズに進められるはずです。

1.査定

空き家を売りたいと思ったらまずは不動産会社などに査定を依頼し、いったいどれくらいの価格で売却することが出来るのかを知っておくことから始めましょう。
この時、1つの会社ではなくいくつかの会社に依頼をして比較して判断することがおすすめです。
また、前もって物件の写真や書類などを準備しておくと良いでしょう。

2.不動産に売却するなら仲介会社を決める

不動産に売却する場合はどこに仲介を頼むか選ばなければなりません。
査定の結果が高いほうを選ぶというのではなく、過去の実績や担当者の雰囲気などもチェックしたうえで、信頼できる会社を選ぶことが大切なポイントです。
マッチングサイトを利用する場合はこの手順は不要で、登録するだけで簡単に売却活動を開始することができます。

3.売却価格を決める

査定額や不動産会社からのアドバイスをもらい売却する価格を決めます。あまり高値にするとなかなか買い手が集まりません。慎重に検討して決めましょう。

4.交渉

購入を希望する方が現れたら、多くの場合は値引きの交渉が行われます。柔軟に対応できることが望ましいですが、できるだけ希望の価格を目指して進めるように頑張りましょう。

5.契約

無事に買主が決定したら契約書を作成や必要な手続きを行い契約を締結、鍵と共に引き渡しをして完了となります。

まとめ

空き家を売りたいのに先延ばしにしてしまっているのなら、ぜひご紹介したようなメリットを知っていただき、いくつかある売却方法のそれぞれの特徴を確認して空き家の状態やご自身の希望に合った方法を選択しましょう。
また、売却にかかる税金についても頭に入れておくことで確定申告を行う際にスムーズになりますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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